シリーズでお送りしている、狩谷亮裕さんのインタビュー企画。
『がんばれ、キラメキびと』
前向きに取り組む仲間の活動を紹介することで、一人でも多くの人たちを勇気づけられ
たらとの願いから始まった。
インタビュー6回目は静岡県出身の村越拓也さんとの対談を紹介する。村越さんは日本福祉大学社会福祉学部保健福祉学科を卒業後、福祉施設で勤務する。その後、結婚を機に日高川町に移住、2015年春から地域おこし協力隊として活動を開始。現在は株式会社松山・就労継続支援B型事業所ゆうの管理者兼サービス管理責任者として活動中。
「地域は人なり」これは村越さんが当時から大切にしている言葉である。目標である「FUKUSHIでMURAOKOSHI」の事業展開をする村越さんの活動はNOTEで見ることができる。
Contents
福祉の道を選んだ理由
中学2年の時、静岡県内の手話サークルが集う会に参加 したんですが、思うように手話ができなくて「孤独感」を感じました。それで半年くらい手話サークルで手話を学びました。その甲斐あって日常会話レベルぐらいなら話せるようになりました。
私は、以前noteで書かれていた、北海道への自分探しの旅が今の村越さんの人物像に影響しているのかと思っていましたが、それよりずっと前から。
それで介護福祉士の資格がとれる高校へ行き、日本福祉大学を経て社会福祉士とか精神保健福祉士とかの名刺に書いてる全部の資格を取得。実家は農家で自然豊かな環境に生まれ育ちました。どうせ事業をするなら、福祉と地方創生、どちらもやりたいと思うようになりました。
福祉と農業をつなぐ
村越さんは、なぜ農業×福祉 の組み合わせを選ばれたのですか?
一方で、これは農家の人だけではないと思いますが、障がい者に対して優しくしなければならないと思っている人が多い印象です。そこで大切になってくるのが「福祉側と農家側の両面のニーズがわかる」ことです。
例えば、「Aさんは、じっとしているのが苦手で動き回りますが、こういう理由で…でも職員がついてコミュニケーションが取れるので問題ないです」とか、「Bさんは体調やメンタル面の調整が上手くいかない時があるので、時々離れて休けいをしたりすれば、また作業に復帰できます」とかね。
こうして連携と相互理解がうまく取れれば、その後の仕事も順調に進みます。その積み重ねです。
給料上げたい!
~収益化・モチベーションアップのために心がけていること~
好きなことを『仕事』にさせてもらって楽しいし、やりがいはすごく感じるんですが、『仕事』である以上、給料UPのことはどうしてもよぎりますし、自分がかんばることで 会社全体の給料UPにつながるのなら…とかって、どうしても考えてしまいます。
従来、”福祉”と”ビジネス”がどこか離れた場所にあるイメージがあるかもです。そこに、就労支援がすすまない理由があるように思います。そうした中で、工賃アップをしていくならやり方は2つしかないと思ってます。
説明や連携のためのコミュニケーションは大変だけど、大事なのは、僕も含めて職員のやる気!やる気さえあれば、仕事は取ってこれるし、職場の雰囲気も変わると思ってます。
まずは職員がそこを意識して、積極的に他団体とつながることが大切だと感じています。
言葉選びと数字のチカラ
人との縁を大切にしながら、さらにその縁がどんどんつながっていくって素晴らしいです。
また最近は村越さんの作業所ゆうももちろんですが、一般の職場でも『障がい者枠』など、以前にくらべると障がい者に対する感じ方も変わってきているように感じます。
記事を書く時に注意していることや心がけていることなどあれば教えてください。
一定の知識と客観的信頼を得るために国家資格を取得しました。ただ僕が『精神保健福祉士』としてとか『介護福祉士の村越としてこう思います。』とかって言ったら、その地点で堅っくるしいヤツだなと思われたりして、ただでさえ、福祉の話は興味ない人が多いので見る人がへるのかなと思います。
そうじゃなくて、村越拓也『個人として』こう思います、だったら個人的に言ってるし、発言の自由もあると思うので、自分の感性、ユーモアを大切にしたいと思っています。
彼は見た目車いすで、誰から見てもパッと見で障がい者って分かる。ある意味ハンデを抱えながら、この人はどんな事を言うのだろう?と。最初はあの「見た目」で注目を浴びていました。
その後いろいろあったけど、今もちょくちょくテレビで見かけますよね。今も人気があるのは、「見た目」の面もゼロじゃないとは思うけど、今はみんな、乙武さんという「人」を見ています。
作業所の職員や利用者としてじゃなく、1人の人として農家さんたち関係者と接する。これを大事にしています。
そうすれば、珍しいな って覚えてもらいやすいし、そこから関係が深まれば、利用者さんと農家さんの、個人的なつながりにも広がる。仕事だけじゃなく、そういうのも大事にしていってほしいなと思います。
友達10人、フォロワー10人でもいいんです。でもそこに数がのったら、ネットでも上位に載るし、誰かが何かしらひっかかってくれることも出てくる。まずはコツコツやっていくしかないと思います。
職場で大切にしていること
基本的視点としては、ルールが多すぎると生きづらい。でも全くないと理不尽なことが多くなる。そこで大切なのは、その事象に対して「説明」して理解していってもらうことです。説明し、それに適応したルールを臨機応変につくっていく。
目に見える障害を持っている人や、ネガティブなイメージをもたれる人、この人たちが僕に何かを教えてくれるんです。あと、対人関係のスキルを向上するなら『自責』(=すべてを他人事ではなく、”自分事”ととらえ、物事の解決策などを考えること)、これが大切です。相手の変化を待つのではなく、自分が変化する!という意識をもつことです。
好きな人とばかりつながってはいられない。そのためには様々な人との討論=対話から逃げず、向き合わなければならないと思います。
いつだって最高だぜ!
あ、そうそう。僕のブログのカバー写真のところに、「いつだって最高だぜ」って書いてると思います。あれは、日々を生きる、いつだって最高だぜ!最高と思えば最高になる。全て自分が決めたこと。自責、自負、最高!!っていう、自分含め、僕のブログを見てくれている・見てくれた人すべてへの、エールのようなつもりで掲げてます。
『村越拓也の生き方』を通して、ちょっとでも前向きになれた!とか、明るい気持ちになった!とかいう人が一人でも増えれば最高です!
追記:村越さんとのインタビューを終えて
若者が離れていくことも農林業の衰退も、課題の核にあるのは「稼げない」ということだと思っています。昔、農林業が儲かっていた時代も専業ではなく、季節によって様々な仕事を組み合わせて生計を立てていたと聞きました。自分が事業として行うことで、地域にとってもメリットがあるなら、それは最高だと思います。
そして、稼げて地域のためになる「MURAOKOSHI」の実践が形になってきたら、自分の目標である「FUKUSHIでMURAOKOSHI」の事業展開をしていきたいと思っています。ざっくり言えば、働くのが難しいけど働きたい人。そんな人達と一緒に地域おこし(農業・ジビエ・加工販売・イベント)をしていく事業です。
まだまだ夢レベルですが、時間がかかっても叶えたい目標です。早く福祉と自分の事業をコラボさせたい! これが、私の日々のモチベーションです。
村越さんとの対談後の追記として、以前日高インタビューに掲載された記事の一部を抜粋・掲載させていただきました。
私は今回村越さんと話してみて、芯を一本しっかりと持った、『軸のブレていない方』だなと強く感じました。
今改めてこの記事に目を通してみると、このころから村越さんの『軸のブレなさ』は健在で、彼の福祉と夢のコラボは、確実に動き出しています。これからも村越さんの活動に注目していきたいと思います。
先日は、楽しく、有意義な時間を共に過ごさせていただき、ありがとうございました。とても良い刺激になりました。『いつだって最高だぜ』な”村越拓也の生き方”をこれからも微力ながら、応援しています。
文:狩谷亮裕
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