近所のコンビニへ立ち寄ると駐車場の柵に犬がつながれていました。
人慣れした犬でこちらを見ると尻尾を振って愛想よく喜びます。
ご主人が買い物をしている間、外で賢く待っているんだなと感心していました。
他の人も同様、笑顔で通り過ぎる人、何やら名前を呼ぶ人・・・、様々でした。
どたどたと3人の子どもがその犬に近づくとすぐにかがんで頭をなで始めました。
3人が口々に言葉を発し、千手観音のように犬の体中をなでるのです。
いくらおとなしいとはいえ、かまれないかとも思う反面、犬が不憫にも思えてきました。
すると今度は、母親らしい女性が走り寄ってきました。
子どもたちに注意するのかと思いきや、ニコニコしながら眺めています。
またまたそこへコンビニの店員さんがやって来ました。
母親と店員さんの話声が聞こえてきました。
どうやらこの家族の家の隣の犬らしいのです。
「間違いない!このにおいや」
「そうや、間違いない〇〇や!」
子どもたちは順番に犬の顔に自分の顔をくっつけ、しっかりと匂いを感じ取っていきました。「隣の○○です。連れて帰ります」と母親。
台風のように現れた子どもたちに連れられてじゃれ合いながらコンビニを去っていきました。
コンビニの店員さんは母親に深々とお辞儀をして束の間の迷い犬を見送っていました。
めでたし めでたし。