インタビュー

『障がい者にエールを』第1回 対談者 西川 孝さん (前編)

概要

シリーズ『障がい者にエールを』。狩谷亮裕さんのインタビュー企画。前向きに
取り組む仲間の活動を紹介することで、一人でも多くの人たちを勇気づけられ
たらとの願いから始まった。1 回目の今回は、和歌山県御坊市在住の西川孝さん
を紹介する。

お世話になった世間に恩返し

狩谷
狩谷
こんにちは。初めまして。西川さんのことは、ヘルパーさんから少しはお話を聞いていますが、お会いさせていただくのは初めてです。今日はよろしくお願いします。

西川
西川
こちらこそよろしく。
今日は、ベッドに横になった状態で失礼します。

狩谷
狩谷
お気になさらないでください。頸椎損傷の方は、血圧や体温の調整がなかなか思うようにならず、大変だと伺っています。

西川
西川
私の場合は、ケガした場所が頸椎の 3 番 4 番あたりで、手もほとんど動かない状態。電動車いすのコントロールスティックを人差し指でやっと操作できる程度なので、リハビリのための通院や決まった日以外はベッドの上です。
狩谷
狩谷
大変ですね。私も小児まひで足が思うように動かせず、リハビリ通院と松葉杖での自宅訓練をずっと続けています。
でも、西川さんの活動を知り、私などは足元にも及ばないと思い、どこにそのエネルギーがあるのかを教えていただこうと思いまして。
西川
西川
ケガから9年。在宅になって6年。いろんな方にお世話になって今がある。そして徐々に自分に何ができるのだろうかと前向きに考えられるようになった。
もともと思いついたらすぐに行動するタイプ。この体でも世間に恩返しができることがきっとあるはずと行動をおこしました。
狩谷
狩谷
それが、お世話になった病院への車いすの寄付なんですね。地方新聞に掲載されているのを拝見しました。
西川
西川
一回目は贈る側も初めてだが、貰う側も初めて。病院の方も警戒していたように思う。しかし、2 回、3 回と続けると徐々に分かってもらえるようになった。
狩谷
狩谷
続けること。それがすごいと思います。しかも一年も経たない間に 3 回も。
西川
西川
当初は、一年に一回程度贈れたらいいかな 程度に思っていました。
1 回目は、私のところに入ってお世話をしていただいている事業所に協力をお願いして 2 台。
2 回目は、同窓会に出席したら仲間がその活動に共感してくれ、寄付を募ってくれた。
3回目は、ケガをする前に勤めていた職場を訪ねてお願いしたら、快く協力してくれた。
3 回あわせて 7 台の車いすを贈呈することができた。

 

 

 

狩谷
狩谷
猪突猛進、思い立ったら突っ走りやりきるみたいな。(笑)
西川さんの性分でしょうけど、すこし走りずぎじゃないですか。
西川
西川
自分でも驚いています。ほぼ無計画で始めたことが多くの方々の理解と協力のおかげで、こんなにうまくいって…。
狩谷
狩谷
きっと、西川さんの人徳ですね。
―人と触れ合うことで自分も成長―
西川
西川
若いころは申し訳ないこともいろいろやった。田舎のヤンキーだったんです。でも、二十歳代で信仰できる教えに出会うことができ、人生を変えるきっかになりました。『人の二倍仕事しろ』、『人のために尽くせ』、『人の喜んでくれることをしろ』。そして、多くの人と触れ合うことで自分が成長できることを学んだ。
その教えが今回の行動につながったのだと考えています。
狩谷
狩谷
自由のきかない体で人のために行動を起こすって、勇気のいることですよね。
西川
西川
若いころから思い立ったらすぐに行動するタイプだったからね。”考えるより行動”。 それが今回うまく機能したのかな。

「お前のイメージを崩してくれるな」
~うれしかった仲間からの言葉~

狩谷
狩谷
同窓会って。中学校のでしょう。普通、ヤンキーだったらみんなから敬遠されることがあっても車いすの贈呈に協力しようとは、なかなかならないように思いますがね。
西川
西川
私の車いすは百キロ近くあり、それに乗った私を同級生が七、八人で会場の二階まであげてくれたんです。うれしかったなあ~。そいつらが、いつも私に言ってくれるのが、「西川は西川のままでいろよ。お前のイメージを崩してくれるな」という言葉だった。
狩谷
狩谷
それを言える友達もすごいですね。仲間って大事ですよね。
西川
西川
私の大事なものは仲間。いままでもそうだったし、これからもきっとそう。だから、あなたにも友達を大事にしろよ って言いたい。
狩谷
狩谷
初めにお部屋を拝見させてもらったときから思っていたのですが、50 個以上の帽子や、たくさんのサングラス。おしゃれですね。

 

 

 

 

西川
西川
リーゼントにジーパンとサングラス。それが私のイメージなんだって。でもね、そうした友達のおかげで勇気も湧いてきたし、若いころと同様に無鉄砲な行動を起こすこともできた。そして、行動を起こすことでまた、友達が集まってくれた。だから行動を起こすことが大事。障がい者でもこんなことができる。少しでも世間にご恩返しになればと思っています。

 

”努力すれば不可能はない” 同じような境遇の人に、
何らかの刺激を与えたい。

狩谷
狩谷
出来ないを出来るに変える。西川さんは、次は何をしよう、今度はどう動こう、と常に考えているのでしょうね。
西川
西川
二十歳代のときに被災地へ寄付をしたいと考え、町内会の催しでバザーを企画したこともあった。うまくいくいかんは二の次。とにかくやってみよう、そこから見えてくるものがあるんじゃないか、というのが私の持論です。
ケガする前に私は、“努力すれば不可能はない”なんて公言していた。それがウソになってはだめだと思ったものですから。
狩谷
狩谷
それもすごいですね。
西川
西川
普通、普通。やるかやらないかだけのこと。今回、こうした行動を起こしたことで、ネットを見た京都の方から電話をいただいたことがある。その行動に勇気づけられたと喜んでいただけた。同じような境遇の人に何らかの刺激になれば最高です。
狩谷
狩谷
自分も縁を大事にし、人のためになれたらということを再認識しました。
西川
西川
君と俺はもう友達やで。お互い行動を起こしていきましょう。
狩谷
狩谷
次回は西川さんがこれから先に考えていることを聞かせてください。本日はありがとうございました。